【おじゃまタクシー】vol.14 「ハイヤーとタクシー」~その似て非なるもの「その1」

【おじゃまタクシー】vol.14 「ハイヤーとタクシー」~その似て非なるもの「その1」


【おじゃまタクシー】

ちょっとおじゃまします。

【桜にN】(日本交通グループ関西)の元ドライバー 「日交郎(ニコロー)」が、タクシーやハイヤーの乗務経験 をもとに、安全運転に関することや大阪の話題などを自由に 書き綴るブログです。

おヒマなときにでも目を通していただければ幸いです。

日本交通 行灯

「桜にN」の先輩ハイヤー乗務員の難波さんと、新人のタクシー乗務員の梅田くん

が営業所の休憩室で雑談していました。ちょっと覗いてみましょう。


(新人梅田>以下「梅」)「先輩!お疲れ様です!」

(先輩難波>以下「難」)「おお、君は新人さんですか」

(梅)「そうですねん、新人の梅田といいます。よろしくお願いします!」

(難)「はい、私はハイヤー乗務員の難波です。よろしくお願いしますね」

(梅)「ボク、タクシーに乗務し始めてまだ1ケ月なんッスよ」

(難)「そうなんやね。もう慣れましたか?」

(梅)「いやぁ、なかなか難しいッス! お客さんが乗ってきたら緊張しまくりで…」

(難)「そうやなぁ、私も最初はすごく緊張していたことを覚えています。でも程よい緊張感は仕事には必要ですからね」

(梅)「先輩でも仕事中はまだ緊張しはるんッスか?」

(難)「もちろんすごく緊張します。大切なお客様の安全を最優先に考えて、何があっても命をお守りする仕事なのでね」

(梅)「ええ!そこまで考えてはるんッスか」

(難)「もちろんですよ。ハイヤーにお乗りいただくお客様は、社会のトップにいる方々ばかりですから」

(梅)「最初の研修の時にハイヤーのことも少し聞いたような気がするんですけど、そもそもハイヤーって何なんスか?」

(難)「そうやなあ…。今もいいましたけど、社会のトップの方々の送迎をすることによって、そのお客様方にとって最大限の有効な時間を作り出していく仕事、ということになるのかなぁ?」

(梅)「えーっと、もひとつようわかりません」

(難)「ははは! そうやね、なかなかひと言では理解しにくいかもしれませんね」

(梅)「でもそんな仕事ならボクもやってみたいッス」

(難)「おや? 梅田さんもハイヤーに興味がありますか?」

(梅)「はい!なんかすごく稼げそうですから!」

(難)「うーん…ちょっと違うような気もするが。でも本人さんの『この仕事をしたい』という気持ちが一番大事ですからね」

(梅)「もし今、時間があるんならハイヤーのこと、もっと教えてください!」

(難)「はい、今ちょうど待機中の空き時間なのでハイヤーのこと、いろいろとお話ししましょうか」

(梅)「ありがとうございます!お願いします!」

(難)「はい、ではまず、何かノートと筆記具を用意していただけますか?」

(梅)「わかりました。」

(梅)「はい、用意できました」

(難)「ではまずハイヤーについてお話しする前に梅田さんの言葉遣いについて少しお伝えしたいと思います。」

(梅)「え?…は、はい。なんですやろか(ちょっと緊張)」

(梅)「細かいことばかりで申し訳ないんやけど、一流の接客は言葉遣いが一番の基本となりますので。まず一人称は『ボク』ではなくて『私』といいましょう」

(梅)「えっと、『わたし』ですか。自分のことを『わたし』なんていうたことないッス」

(難)「そうでしょうね。でもこれからはそのように言いましょう」

(梅)「わかりました」

(難)「それと乗務員同士でも了解したということを伝える場合は『かしこまりました』といいましょうか」

(梅)「仲間同士でもですか?」

(難)「そうですよ」

(梅)「はい、わかりまし…あ!かしこまりました!!」

(難)「(笑)そうそう!いいですね」

(梅)「言い慣れない言葉は難しいッス!」

(難)「それと、語尾の『なんとかッス』という言葉遣いもよくありませんね」

(梅)「そうなんッスか?」

(難)「そう、それそれ」

(梅)「あーこれこれ」

(難)「アーこりゃこりゃ…なんですかそれは。語尾はしっかりと『です』『ます』で締めましょう」

(梅)「わか…あ、かしこまりました」

(難)「そうですね。常日頃から意識することが大事ですよ」

(梅)「はい、常に意識するようにしていきます。それとさっきから少し思ってたんですけど難波さん、ボ…えっと私みたいな新人にもちゃんと敬語で話されていますね」

(難)「はい、新人先輩関係なく私は基本的に敬語で話をするようにしています。なぜかといえば、それを『クセ』『習慣』にしたいからなんですよ」

(梅)「習慣…ですか」

(難)「そう。逆に『適切』ではない言葉遣いを常からしていると、大事なシーンでも無意識に出てくるものです。」

(梅)「へえ、そういうものなんッ…ですか」

(難)「もちろん、時と場合によっては、くだけた、親しみのある話し方もアリですけれどね。いわゆるメリハリが大事だということでしょうか」

(梅)「なるほど、よくかしこまりました」

(難)「ははは、そこは『わかりました』でええですよ。それと『お客さん』ではなく『お客様』というようにしましょうね」

(梅)「あ、たしかにそうですよね。はい、気を付けます」


先輩ハイヤー乗務員と新人タクシー乗務員の話しは、まだまだ続きます。

                              (ニコロー)

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